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屋根のリフォーム・葺き替え!どこに頼むと吉?町の工務店編。

前エントリーでは屋根のリフォーム・葺き替え!どこに頼むと吉?ハウスメーカー編。と題しまして、ハウスメーカーの子会社リフォーム部門を業界人として考察してみました。
想定よりPVが多く、「屋根のリフォームとか葺き替えってどこに頼めば良いのかしら?」と迷っているお客様が結構いることに再度気付かされました。

SNS上では「屋根屋さんっていう職種があるんだ!」「屋根職人っているんだね。大工さんがやってると思ってたよ。」と知っていただき、屋根職人としましては少しずつ周知されていくと嬉しいです。

今エントリーではいわゆる工務店への屋根のリフォームや葺き替えの依頼を考察していきたいと思います。

先ずは町の工務店の現状からデータと共に見て行きましょう。

住宅市場は日本において異端の分野。大手のシェア率は圧倒的に低い。

下の円グラフをご覧くださいませ。住宅市場においては大手のシェア率が圧倒的に低いことがわかると思います。


出典元:住宅産業研究所より。

他の業界と比較すると一目瞭然。


出典元:デジカメ比較レビューmonoによる推計。


出典元:日本自動車販売協会連合会。


出典元:電気通信事業社協会。
⚠このページに記載した円グラフの数値は全てはフリーソフトで作成したため、その仕様上小数点以下四捨五入で表しています。

こうして見ますとお分かりになると思いますが、大手ハウスメーカー10社のシェアは30%にも満たないのです。
実は、大手ハウスメーカーのシェア率を尻目に圧倒的多数を地域の大工さんや工務店が占めているのです。

しかし、昨今、大工さんや工務店の後継者不足や腕のいい職人の減少が懸念される一方、国の主導による住宅品確法制定や長期優良住宅の推進などにより、技術力や品質管理体制に対する要求は極めて高いレベルを要求されるようになっています。
また、情報化社会を反映し、お客様のニーズもますます高度化・多様化しており、大きなギャップを生じてきているのです。

これは新築住宅市場に関してのグラフを用いての考察でしたが、次の章ではリフォーム市場におけるいわゆる町の工務店、地場の工務店はどのおようなシェアになっているかを見て行きましょう。

地場工務店、町の工務店系はリフォームにおいてもやっぱり強かった!しかし…。

これをご覧ください。

出典元:ナイス株式会社 URL: http://www.nice.co.jp/nbr/2014-06-15_2042/02.html

事業規模の大きい順に並べていきましょう。

1位・・・地場工務店、町の工務店系(35,900億円、前年比+4.2%)
2位・・・住宅設備機器・建材メーカー系(14,950億円、+6.0%)
3位・・・専門工事業系(8,480億円、3.2%。弊社はここに分類。)
4位・・・ハウスメーカー系(6,000億円、10.0%)
5位・・・リフォーム事業系(5,350億円、1.9%)
6位・・・ゼネコン・デベロッパー系(4,800億円、7.9%)
7位・・・エネルギー供給事業系(2,800億円、2.9%)
8位・・・小売・家電量販店・ホームセンター系(1,940億円、18.3%)
9位・・・リノベーション系(1,264億円、7.3%)
10位・・・インターネット事業・IT系(290億円、6.2%)

平成24年度事業所統計で見るといわゆる地場の工務店、町の工務店の大小合わせた事業所数は6万7000事業所。
開店休業状態の事業所も数えられてる可能性はありますが結構な数ですね。
しかし、6万7000事業所で35,900億円という規模を見ると1事業所あたりでは大きい売上ではありません。
他の2位から10位の事業所の数は把握しておりませんが、そこまで数は多くないはず。
シェア率では新築住宅工事、リフォーム工事市場において断然の割合を占めていますが前年比で言えば、ハウスメーカー系や小売・家電量販店・ホームセンター系が徐々に売上を伸ばしています。
個人的には莫大な宣伝広告費での知名度を獲得するハウスメーカー系、既存店舗やいわゆる”一括サイト”などでエンドユーザーと接点を多く作れる小売・家電量販店・ホームセンター系やインターネット事業・IT系のシェアは高くなっていくと考えています。

そして地場の工務店、町の工務店は経営者後継者の問題、他と比較した時の資本力の違い、大工や現場監督や番頭の人材難・不足もあり、その事業所数は減少の一途。
実際、平成9年頃は9万8000社もあった事業所数が、今は6万7000社。
シェアも後続の参入企業にグイグイと追い上げられると思われます。

では屋根の葺き替えやリフォームの工務店選びの重要なチェックポイントは?

弊社ルーフワークスの専門分野である屋根工事においても、工務店はお客様にとっても大事な窓口。
創業が長い、地域に根ざした工務店であれば親身になってお客様のご要望に答えてくれるはずです。

工務店経由で依頼する場合のチェック項目を記載しておきますね。

・地域での創業が古く、長い間経営できている。そして後継者(実子ならばベター)がいる工務店は信頼できます。

創業から現在までの期間が長ければ長いほどよろしいでしょう。
長い間、会社を運営するのは並大抵ではありません。
長く続いているということは工事を受注できているということであり、受注できているから人を雇用し続けられるわけです。
特に建築業は人材こそ宝であり、それ自体が商売道具です。

地域工務店というのは大手ハウスメーカー参入前はその地域の新築工事も広く請け負っていたところも多く、健全な経営をされた工務店というのはそれなりの会社の資産があるものです。
ですが高齢の経営者から自分の子供が後継者になるタイミング(現在)というのは、先述ですが地域にもよりますが新築工事を請け負うというのはなかなか難しくなっているわけです。
そうなりますと後継者としては親の世代で建ててきた住宅のリフォームや修理関係という業務がメインとなってきます。
しかも1件のリフォーム案件においての利益を多く取り過ぎず、できれば案件数を多く取りたいはずなのです。
つまり地域の信用を損ねるような手抜きや相場を無視した価格設定はしずらいわけです。
工務店にもよりますが自分の代においては仕事を切らすよりは、よりお客様の身になった価格帯でサービスを提供し、地域コミュニティーの中での口コミを重視するところも多いです。
”親子三代続いている”等々、創業が古い!これは本当に大切なファクターだと思います。

・人の出入りがあり、◯◯工務店の看板を背負ったトラックや乗用車がある。

人の出入りがあるということも受注できている証拠。
一見して職人が出入りしていれば尚のことです。
工事を受注できていなければトラックは固定経費が掛かるだけの金食い虫ですからね。
工務店の事務所や下小屋(木工の加工場)に常時止まっていて、その車が朝夕と出入りしているということも受注できているという証拠です。

・自社のWEBサイトを運営している。または運営は業社だけどサイト自体はある。またはSNSでの発信も勢力的に行っている。

これも現代においては重要ですよね。
今までの工事実績や工事における豆知識的なコンテンツが多いと尚良いですね。
色々な受注経路をその時代時代で確保していこうという気概が感じられるということは、大変好感が持てます。
マメにサイト内コンテンツを更新していたり、サイトリニューアルも実施しているともっと良いですね。
「なんだ?この古いサイトデザインは…」なんて感じる場合はWEBサイトを軽視している証拠です。
今やWEBサイトは会社の顔と言っても過言ではありません。重視すべきチェック項目です。
弊社のサイトもそうですが、大工さんや代表者の画像がサイト内で見れるのは安心感があります。
逆に画像の素材ばかりのサイトはあまり信用できません。
サイト制作業社が予算内で作っただけの場合が多く、工務店の意気込みや意向が反映されていない証拠だと感じます。

自社サイト自体、制作すればかなりの高額ですし継続するのにもコストが掛かります。
サーバー代、ドメイン使用料、業社に頼っている場合はサポートやメンテナンス料金。
これがかなりの高額です。
ですから小規模の工務店はFacebook pageや各SNSで発信しているところも多いです。
そこでどんな発信をしているかもかなり重要だと思います。
現代においてのお客様の身になってサービスしているということは、何も工事の質や腕だけではありません。
時代に合わせて勉強しているか?広い世代のお客様をカバーしようと努力しているか?というのは、そんなところにも表れるものです。

屋根の葺き替えやリフォームを工務店に依頼した場合の価格はどのようになるのか?

地域によっても様々、会社の規模や理念によっても様々なのですが、その時の案件の規模にもよります。
例えば屋根の葺き替えやリフォームだけなのか、それとも住宅全体のリフォームの中の1つとしてついでに屋根の葺き替えやリフォームもやるのか。
外壁や外装周りの塗装やメンテナンスも同時にやるのであれば、1つの工事に対して利益をそこまで乗せなくても工務店はそれなりに儲かります。

例として外壁塗装+雨樋交換+屋根の葺き替えやリフォーム、そして工務店の本業である部屋内の木工工事といった住宅の大規模なリフォームをする場合であれば、ただでさえ木工工事にはそれなりに利益が乗っているわけで、外壁塗装や雨樋交換や屋根工事には管理費程度(5~10%)を乗せてもそれなりの儲けになります。
これが屋根工事、外壁塗装工事、雨樋工事単体であればもう少し利益を乗っけてくるでしょう。
この辺は工務店の経営の仕方、やり方によって変わってくるでしょうけどね。
屋根材にもよりますが外壁と屋根の必要なメンテナンスの時期は被りがちですので、上記の理由からも複数工事を同時期に依頼した方がよろしいでしょう。
屋根と外壁のメンテナンスを別々に行う時は仮設足場を2回掛けることになります。
仮設足場は住宅のメンテナンスに欠かせない存在ではなく、工事をする方に欠かせない存在なだけですのでできれば同時期に行うことがコストカットになります。

まとめとしましては。地場の工務店の現在のメインは地域の修繕。
高い工事や手抜き工事を提供しようものなら、新築工事を請け負いづらくなってきた工務店としては痛手です。
1件で大きく儲けず、長く地域のお客様に利用してもらいたいと思っているわけですから、ハウスメーカーよりは安価に工事を提供してくれる事業所が多いです(経験上と業界周りの話として)。
地元川崎でもそうですが東京や横浜にも経験ある、お客様の身になったサービスを親切に提供してくれる工務店は多いので探してみてください。
きっと屋根のリフォームや葺き替えも自身を持って対応してくれるはずですよ。

ただハウスメーカーと同じでどういう下請けを使ってるかはお客様にはわかりません。
屋根は大工が仕上げるわけではありません。私達屋根職人ですから。

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