弊社ルーフワークスは自社で受注した屋根の修理改修、リフォームや葺き替えの仕事が無い時は、大手ハウスメーカーや地場の工務店等のお仕事を受注させていただいております。

年度末ということもあり、屋根屋も忙しいと思われるかもしれませんが実はそんなことはなく、我々屋根屋が忙しいのは年度末より少し前の3月初旬〜中旬まで。
ハウスメーカーのほとんどは他業種の大企業と変わらず3月決算が多いので、当月末までに本年度の実績を作るためにかなりの住宅受注数を完工させます。
戸建て住宅においては乗り込みが早い、遅い業種がありまして屋根屋は大工の次に早い職方です。
大工が上棟させた後、野地板を貼り私達がルーフィング(下葺き)施工をすれば基本的には大工も濡れずに仕事ができますし、お施主様の大切な家の構造物をなるべく濡らさずにするために屋根屋の乗り込みはなるべく早くが基本です。
大工の数は限られていますので2月中旬〜末に建てた物件を完工させるためには、新たな住宅の建て方をしている時間はありません。
よって屋根屋は2月末までに建てられた住宅を粛々と終わらせていきますので、結果3月下旬になりますと自然と暇になってきます。

最近、政府界隈でも消費税10%への増税延期等の報道がございますが、8%増税の後の10%増税はもちろん既定路線ですので10%になるまではご自分の住宅を建てたいという、いわゆる駆け込み需要により、ここ数年は3月末だろうが4月初旬だろうが通年忙しくさせていただきましたが、そろそろ駆け込み需要も落ち着いてきたのかな?と感じます。

急勾配屋根の施工は大変なのです…


施工前

軽く登山状態です(笑)
なにぶん急勾配ですので屋根足場が無いと何もできません。
こういった物件は屋根材を荷揚げするのも一苦労です。
人的コスト、時間的コストも違いますしね。


施工後完成

弟と私2人で何とか1日で完成です。
以外と早いですか?
いえいえ弊社の施工スピードが異常なのかもしれません(笑)
もちろん手抜きは一切無し。当たり前ですけどね。
カラーベスト・コロニアルといったスレート屋根材は4本の釘を打って留め付けるのですが、例えばこれを3本にすると人的時間的コストも下がりますが、ルール違反ですしマニュアル外の施工方法ですから弊社は一切いたしません。

葺き替えやリフォーム等で既存屋根材を剥くと3本打ちなんてザラですし、たまに2本打ちなんて屋根もあります。
通常のマニュアルと比較すれば半分のコストですね。
やったらダメなのを承知の上で自分の事情で工法外は職人に非ず。
実際にそういった残念な施工を結構見るんですよね。

急勾配屋根の葺き替えやリフォームは普通勾配屋根の施工より数倍金額が掛かります

屋根の形や勾配はもちろんお施主様が決めるものではなく、設計であり建築主が決めるものです。
現在、東京において戸建て住宅を土地購入から新たに建てるとなると、かなり経済的余裕が無ければ建てられないのは言うまでもありません。
何とか建てられても結構な狭小地で間口が狭いところに新築住宅を建てるとなれば、隣地斜線制限や北側斜線制限等の規制からどうしても急勾配屋根になりがちです。
特に上記の画像のように片流れ屋根で斜線規制を受けるので途中で腰折れ(マンサード)屋根になるこの屋根の形が本当に多い。
ちなみにその画像の右側にちらりと見える隣の新築住宅もほとんど同じ屋根形です(笑)

新築住宅時では「すごい急な勾配の屋根だな」くらいにしか感じないと思いますが、10年後くらいに屋根の塗装やメンテナンスを検討し出すと「えっ!こんなに高いの?」と感じることになります。

既出の急勾配屋根の画像を見ればお分かりになると思いますが、屋根足場が無ければ身動きすら取れませんから普通勾配の屋根には不要の屋根足場代金が別途かかりますし、設置できても自由には動けませんからどうしても人海戦術になります。
通常、4人でできることが倍の人数が必要になりますし、工数が多ければ多いほど金額は上がっていきますから大した屋根の大きさではなくても、総工事費はかなり高額になりがち。
屋根材の仕入れ値はもちろん変わりませんので全て人件費(労務費、手間賃)だと思っていただいてよろしいかと思います。
弊社だけではなく日本全国どこの施工店でも割増賃金だらけになるのが急勾配屋根に対するメンテナンスなのです。

先週までに完工させた屋根達

【川崎市宮前区某邸】

施工前


施工後

【町田市金森某邸】


施工前


施工後

【品川区西中延某邸】

この物件は某ハウスメーカー様からの発注で「すみませんけど当該物件の屋根屋さんと現場監督の間で何かあったみたいで施工が止まってるのです。工期も迫っていますからルーフワークスさんで何とかなりませんか?」とのご依頼で急遽リリーフ登板です(笑)

監督さんと何があったかはわかりませんが一度手を付けたものは最後までやり遂げるのが仕事です。

会ったこともないだらしがない職人の尻拭いでしたが、頼られては嫌とは言えません。
謙虚に謙虚に(笑)


中途半端に手を付けたのがよくわかります。


誰にでもできるような簡単なところは施工済み(笑)


まぁ逃げたくなるのがわかるくらい屋根形はグッチャグチャ…


下屋完成


下屋ありすぎです(笑)


上屋も終わり♪

条件を付けての請負でしたので請求書を書く時にはニヤニヤしながらでした(笑)

大手ハウスメーカーや地場の工務店の新築住宅の屋根工事もいいですけど

このような感じで冒頭に記載したように現在のところはハウスメーカー、工務店経由の新築屋根工事のお仕事で生計を立てているルーフワークスですが、やっていて「楽しい!」と思うのは屋根の葺き替えやリフォームです。

実は屋根屋さんという業種は新築住宅においてはお施主様とお打ち合わせをしたりご対面させていただいたりということはありません。

サイトを運用してそれ経由でお仕事をいただけるようになってきて思うのは、現場の職人として「正しいこと」「お客様にとってメリットが際立つ提案」を私の経験上責任を持ってできることです。

お陰さまで一職人という立場だけでは施工ができなくなりましたが、これはこれで私という職人の新たなフェーズと捉え、日夜前向きに仕事を楽しんでいます。
元々が飽き性ですから新しい挑戦や物事に向かうことはモチベーションが保てますし、何より「南さんのおかげだよ。ありがとう!」なんておっしゃってくださいますと天にも昇る気分です。

「あー頑張って良かった」なんてやっと少し一息つけられます。

今日は午後からご新規のお取引先様と現場調査です。
頑張らないとね。