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カラーベスト・コロニアル!屋根のリフォーム・葺き替えの種類と時期。

前エントリーでは屋根のリフォーム、葺き替えを考える5つのタイミング!と題しまして、5項目に分けてお話させていただきました。
当たり前と言えば当たり前なのですが、これを前提として屋根のリフォーム・葺き替えの種類・新築時から数えての時期、そして屋根材毎に違う耐久年数やメンテナンスのランニングコスト、1回のリフォームにおける屋根材毎の費用面の違いをご説明させていただければと考えました。
基本的にこちらのBlogにおいては、屋根のリフォーム・葺き替え・修理の知識のカテゴリーを閲覧していただければ、どこの地域にお住まいの方でもそれなりの屋根のリフォームと葺き替えに対する知識と知恵が付くようにと考えて記事を入れていきます。

前エントリーでご説明した定期で点検を受ける大切さ、そしてご自分でも一定の期間で外観を見る癖をお持ちになること、ハウスメーカーが提供する無料点検もよろしいですが、より専門性がある人間に把握させることが大事、それらをご理解いただいて次のステップに参りましょう。

屋根材に対するメンテナンスやリフォーム・葺き替えの種類は異なります。

先ずは一般住宅において使用される屋根材のご説明からいたします。
こちらもわかりやすく箇条書きにさせていただきます。

①スレート系

②瓦

③板金

他にも茅葺きや木材や石等々を使った屋根材もありますが一般住宅で使用されるメジャーな屋根材は、このように3種類に分類できると思います。

ではその3種類の屋根材に対しての適切なメンテナンスの仕方・種類・その時期とはどういったものなのかご説明させていただきます。

スレート系屋根材(代表的な商品名・商標:コロニアル・カラーベスト・パミール・フルベスト・レサス・アーバニー・ナチュール等々)2つの種類とその詳細

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まずスレート系にも人工(化粧)スレートと天然スレートの2つがあります。
天然スレートは昨今の都市部における一般住宅では、なかなかお目にかかれなくなった高価な屋根・外壁材です。
特徴としましては防火性、防水性、耐霜性に非常に優れている屋根材です。
ただ脆いというところが欠点なのですが、それ故に簡単に薄い板状に加工できるので主に屋根や外壁に建築材として使われています。
少し脱線いたしますがこの元となるものは堆積岩の一種、日本名で粘板岩と言いまして、天然スレートはその粘板岩の薄板上のものを天然スレートと称し、元は正しく天然の岩石です。
国産天然スレートの産地としましては三陸沿岸付近が主でしたが、現在は宮城県北東部に位置する雄勝町だけになってしまい、その他は全て輸入に頼っているという現状です。
雄勝町の粘板岩は、他と比較して黒色で光沢があることから雄勝石と呼ばれ、和硯の原材料としても有名です。
雄勝町は先の震災で甚大な被害を受けて、多くの天然スレートは津波によって海へ流失してしまうという現実に見舞われました…。
雄勝町の天然スレートを用いた建築物には東京駅丸の内駅舎、旧岩崎邸、法務省旧本館等々、名立たる有名な洋館が並びます。

話を戻します。

一方、人工スレート・化粧スレートと呼ばれるものは、文字通り人為的に工場で作られ大量生産と大幅コストダウンを実現させたものです。
現在の人工スレートの原材料は、天然パルプや人工繊維を主として様々な物質を調合して薄板状にそして均一に成形されたものです。
いわゆるアスベストを含んだスレート材(0.1%以下)は現在作られておらず、平成14年移行から全ての屋根材に関しては無石綿(ノンアスベスト)に切り替わっています(代表的な石綿を含む屋根材で言えばニューコロニアルシリーズが最後です。コロニアルNEOは0.1%以下の含有量ですから法規制屋根材ではありません。現在は生産中止)。

※補足
平成18年9月1日から「労働安全衛生法施行令」および「石綿障害予防規則」の一部が改正され、これらの法令に基づく規制の対象となる商品(製品)の石綿含有率(重量比)が「1%を超えるもの」から「0.1%を超えるもの」に改正されております。

それ以前(平成13年)に建てた家で天然スレート以外のスレート屋根材には、スレート一枚あたり10%前後の石綿(アスベスト)が入っているようです。
お住まいの方には無害ですので問題ないというのがメーカーの見解です。

人工スレート(石綿入りも含む)は主に一般住宅、工場の屋根や外壁に使われており、天然スレートとは違い高密度で衝撃にも強く、優れた均一性から施工性が良く、軽量なので耐震性があり、特殊な製法により含水率・吸水率が低く、それでいて安価な屋根材なので、現在ハウスメーカーや地域の工務店では主流の屋根材といっても過言ではありません(特に都市部、首都圏において)。
欠点としましては…
①その薄さ故に直射日光を受けた場合、スレート本体に受けた熱を逃がしづらく家の構造によっては熱が部屋内に篭りやすいこと。

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②施工上葺き上げて行く時にスレート本体の1/2以上は上の段が下の段に重なっていく構造上、土埃や砂埃が巻き上がる風によってその上下段の隙間に入った際に埃類が抜けづらく、その埃自体がスレートの重なり部へ徐々に雨水を吸い上げて屋根材と下葺き材(ルーフィング材)の間に入り込み雨漏りの原因になる可能性があるといったところでしょうか。

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どの屋根材でも一長一短ですので欠点を上げればそれなりに出てくるものです。瓦しかり、板金しかり。

スレート屋根材と言っても2つ種類があり、その各々の特徴、欠点、背景をサラッとご理解いただけましたでしょうか。

スレート屋根材のメーカー推奨メンテナンスの種類と適切な時期と年数は?

先ずはスレート屋根材に対してのメンテナンスの種類を箇条書きで記載いたします。

①既存スレート屋根材を高圧洗浄の後、再塗装(美観上・見た目重視)。

②既存スレート屋根材を撤去・廃棄して、新規屋根材に葺き替え(スレートからスレート、スレートから瓦、スレートから板金、等々。防水性能向上、美観向上)。

③既存スレート屋根材をそのままにして、その上からカバー工法(板金、アスファルトシングル、等々。防水性能向上、美観向上、既存屋根材を廃棄させないのでコストカット)。

④既存スレート屋根材に大した劣化・異常・変化が見られない場合は、各部位を補修。

以上の4つです。では種類を把握しましたら適切なメンテナンス時期は?新築時から数えて何年後?何年毎?

先ずはスレート屋根材シェア最大手、H15年12月に(株)クボタと松下電工(株)二社折半出資により経営統合されたケイミュー株式会社(Kubota Matsushitadenko Exterior Worksの頭文字からKMEWと呼称)の見解から知っておきましょう。
私的に重要だと思う部分を引用と抜粋いたします。
リンク先はPDFですので環境が許せば開いてください。

[以下PDF3ページ目から引用と抜粋]

”屋根のメンテナンス方法”

※弊社スレート屋根材は、表面の色が薄くなったり、汚れがついた場合でも屋根材としての基本性能は問題ありません。

美観維持・向上を図るには再塗装を行ってください。

”メンテナンス時のご注意”

・再塗装には各屋根材の専用塗料をご使用ください。

誤った塗装(施工方法)は、雨漏り等を引き起こす原因となります。
専用塗料以外の市販塗料では、屋根材との密着性に問題があり、不具合を生じる場合がありますので絶対に使用しないでください。

KMEW屋根材、住宅外まわりのメンテナンスについて
⚠リンク先はPDFです。

[以上引用と抜粋終了]

意外なのですが公式見解としましては、屋根のメンテナンスに関しては再塗装とそれに関する一応の目安期間しか謳ってないのがお分かりになると思います。
唯一、読み取れるのは再塗装を行う理由は美観上・見た目であり、防水性を担保、又は向上させるといった文言は見当たりません。
逆に塗装が薄くなっても基本性能に問題はありませんと記載してあります。
そして再塗装においてはメーカー純正の塗料を使用することと、塗装の仕方を確りとした正規の手順で行わないと、逆に雨漏りの危険性がありますよ、ということ。

そのPDFの2ページ目にはメンテナンススケジュールなるものがあります。

屋根材施工後10年施工後20年施工後30年
コロニアルクアッド、グラッサ部分補修(景観上必要な場合は再塗装)部分補修(景観上必要な場合は再塗装)30年目前後における屋根材の部分補修•再塗装や交換については、これまでのメンテナンス実施状況および躯体状況など住宅全体の劣化具合を専門業者等に
 確認いただいた上で、総合的に判断してください。

端的に言いますとコロニアルクアッドとグラッサのメンテナンス期間は新築時から数えて10年を基本としています。
そしてそこから10年毎に必要であれば適切なメンテナンスをしてくださいとの記載。
リフォーム、葺き替えのワードは皆無です。
ただ至るところに”専門家にお問い合わせください”との記載はあります。

総合してみますと美観上・見た目で考慮した場合、10年を目安に点検の上、必要であれば修理や再塗装のメンテナンスをしてくださいと。
再塗装をする場合は絶対に市販の塗料を使用せず、必ずKMEW指定の塗料を使って適切な方法で塗り替えてくださいと。

これだけです。これがKMEWの現在の公式な見解です。これ以外、オフィシャルな発言・発信はありません。

ここで気になったので、KMEWの前身であり共同出資をしている松下電工(株)よりシェア率が高かった、(株)クボタの見解を探そうと以前使用していたドメイン:http://reform.kubota.co.jp/ で探すも、http://www.kubota.co.jp/sitemap.html に飛んでしまいます。
ですので、もう見れなくなってしまったページを見るためにInternet ArchiveというWEBアーカイブサービスを使って、(株)クボタの見解を探しました(段々屋根屋さんのサイトではなくなってきた感がありますが…)。

結果、色々発掘してみました。

以前のサイトは本当に親切に詳細に記載されていますね。
以下は以前のサイトのQ&Aのページから抜粋したリンクです。

・屋根のメンテナンス時期の目安は?

・苔が発生発生しています。防水上問題ないのですか?

・カラーベストの寿命はせいぜい10 年ぐらいと言われたのですが…

・瓦が色褪せたら雨漏りするって本当?

すごく詳細に積極的に記載されていると思います。今はクレーム対策であまりオフィシャルな情報を出しませんからね。

⚠このリンク先は(株)クボタが以前運営していたサイトであり現在は使用されていません。
商品自体も現在とは異なります。
現在の公式見解と同じであるとは限りませんし、KMEWの見解ではありません。参考程度に捉えてくださいませ。

この情報も加味した上で考えますと、やはり公式には再塗装を除くリフォームや葺き替え時期は明確に定められていません。

製造メーカーから公式でアナウンスされている結果としては?

以上、様々な情報を検証した結果により…

①最低限10年毎に点検は必須

②その点検で発覚した異常や不具合等々によって適切なメンテナンス方法を選択する。

③スレート屋根材に対しての再塗装は美観向上、見た目を復元することが目的であり、防水性能向上は公式には認めていない。

④再塗装をする場合には、その業者が使用する塗料を確認すること。KMEW公式では純正、又はそれに準ずる塗料を使用することと記載あり。

⑤先ずは信頼できる専門家のアドバイスに耳を傾けること。

以上がメーカーサイトで分かったことです。

まとめと屋根のリフォーム、葺き替え時期に対するルーフワークスの見解

では公式見解を様々検証した上で、屋根の専門家であるルーフワークス代表の私としての見解は?と言いますと…

①10年点検を実施して、雨漏り・屋根材の破損や欠損・異常が認められない場合、経済的余裕がある方、又は美観を気にする方は再塗装をする(防水性能向上は期待できませんし、業者選びを失敗すると直ぐに雨漏りします。これはどの屋根屋に聞いても同様です)。
美観を気にしない、又は三階建て・狭小地等で周りから見えないので経済性を優先という方は、ランニングコストを考慮してなるべくメンテナンスを引き伸ばす(10年点検後、3年を目安に点検を実施。台風や大きめの地震後も点検をされれば尚良いかと思います)。

②10年、13年、16年(各年前後)点検を実施した後、様々な細かなことを考慮して、私の経験上、そして私以上の経験豊富な職人の見地見識上から 15~25年の間に適切な葺き替えかカバー工法を推奨。

③推奨工法として、経済的な余裕がある場合は、全てをやり変えられる優位点から考え葺き替えが第一、カバー工法は廃棄費用が無いのでいくらか安価にできるが、それに伴うデメリットも生じる可能性もあるので次点とします。

④現在は塗装面が高耐久であるという観点から、スレートからの葺き替えであればコロニアルグラッサ以上のグレードのKMEW製品、もしくは板金(ガルバリウム製等々)屋根材に高耐久でロングサポートの屋根材が多いので各種ガルバリウム鋼板製屋根材。
やはりこちらもカバー工法を推奨(板金屋根材は規格製品、定尺物、メーカー製品自体がコロニアルより高価です。しかしリフォームでのカバー工法においては廃棄費用を考えますと総体的にコストは下がる傾向があります)。

⑤下葺き材(ルーフィング材)は高価・高耐久・高防水性能なものにして、そのコストは絶対に削らないことをおすすめします。
最終的な雨漏りする・しないは、ここに掛かっていると言っても過言ではありません。
下葺き材・ルーフィングは雨漏りに対して最後の砦とお考えください。

以上です。

スレート屋根材(コロニアル・カラーベスト)考察の結果としましては建て替え・建て売り住宅・中古住宅購入、どれにおいてもスレート自体が他に比べると(瓦や板金)耐久性は落ちると思っていますので、1件の構造物(家)のメンテナンスにおけるランニングコストを下げるならば、②の期間に葺き替えかカバー工法を施し、そこから30年持つ施工と屋根材を選ぶことが大切だと結論づけました。
施工会社、職人によっても様々です。ぜひ、参考にしてみてくださいませ。

独り言
「様々ではお客様に迷惑が掛かるからメーカーが公式でアナウンスするべきだよなー。」とも思うのですが、屋根もそれぞれですしね。
まぁやはり点検が大切!ってなってしまいますね。

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