ルーフワークス > ブログ > 社長日記 > 会社で弟の賃貸物件を借り上げ社宅にした件

ブログ

Blog

会社で弟の賃貸物件を借り上げ社宅にした件

春は別れの季節であり、それと同時に新たな世界に踏み込んだり生活が始まる季節でもあります。

学生は卒業そして入学、入社、社会人は人事異動等で部署が変わったり通う営業所が変わったり、また転職等もやはり多く寒い冬を超えて麗らかで暖かな春は新たな人生の一ページを刻む第一歩。

弊社ルーフワークスにおいてもこんな事案が。

弟が現在住んでいる賃貸物件から引っ越しを考えていると聞きまして、私の友人知人を駆使して引越し先をご紹介いただいたりと大変お世話になりました。
未だ条件に合致する物件には出会えず、弟は毎日食い入る様にネット上で張り付いていることでしょう。

その際に考えたことが1つ。

どうせ引っ越すならばこの際、会社で借り上げ社宅として当社が不動産契約して弟には税法上しかるべき家賃負担をさせた方が彼のためにはなるのではないか?と。

現状、当たり前ですが彼は自分の給与の中から捻出して賃貸料を支払っています。
至極当然普通のことですが、個人で賃貸料を支払うこと自体もちろん彼にとっては何の経費にもなりません。
生きるための経費ではありますが別に控除等はありませんしね。
ですが当社で社宅として契約し、賃貸料をお支払いすればそれは経費。
勉強だと思い、忙しいながら自分で調べて答えを出しました。

結果だけ先に言うと弟が今まで払っていた賃貸料全額のおよそ8%を払うだけ。
標準月額自体を引き下げて賃貸料を加味して給与設定をしたので、当然所得自体は減り、それに伴い所得税も住民税も例年より納める税金は少なくなり、会社の社会保険料負担分ももちろん下がります。
十万円の賃貸料の部屋だと仮定した場合八千円だけ天引きするということになり、残金九万二千円は借り上げ社宅の会社経費としました(仮定の話)。

借り上げ社宅とは?

会社の福利厚生の一環として会社員の住居費用に対し負担を補填するケースがありますが、一般的に”住宅手当”としての支給と”給与天引き”による社宅貸与というこの二つに分かれると思います。
現状、日本においては前者が圧倒的に多く、後者は少ない気がします。

ここでいう借り上げ社宅制度というのは後者。

会社が大家や不動産屋と直接契約して会社が賃貸料を支払い、税法に則った賃貸相当額を給与天引きにて徴収するのが借り上げ社宅制度と言って差し支えないでしょう。

借り上げた社宅制度の会社と社員のメリットは?

a0002_003051_m

大前提として年収五百万円の社員に更に月額十五万円の経費を掛けて社宅として一万五千円の給与天引きで貸すわけではなく、会社が支払う賃貸料と社員負担分等を考慮して給与額はもちろん下げるとします。
つまり1人の社員を雇用するにあたって、借り上げ社宅に掛かる経費等+月額給与=五百万円でも住宅手当込みの年収五百万円でも、会社側から見たら同じ五百万円なのでどうせなら会社も社員も節税、負担減を目指そうよ的な感じです(笑)

住宅手当と借り上げた社宅はどちらも福利厚生の一環なのですが、社員の税負担と会社の社会保険料負担という観点から見ますとその二項は全く性質が違うものです。

前者は住宅手当というお題目ではありますが給与の一部であり所得です。
後者は会社が借り上げた社宅に対して賃貸相当額を給与天引きとして支払うわけですから、もらうものではなく逆に会社に対して支払うものです。
会社側が住宅手当を折角出しても、雇用側がありがたくもらっても手当自体は課税対象で税金は掛かかりますし、社会保険料算定期間である4月〜6月に住宅手当を出しても折半とはいえ社員側と会社側の保険料と年金負担は増えるわけです。
当たり前ですが手当と付くものは全て福利厚生の一環であり給与の一部ですから、当該期間においては残業するのにうるさい会社も多いでしょうし、通勤手当支給もタイミングよく考えて出している会社が多いのではないでしょうか(笑)

一方、借り上げ社宅の場合は4月だろうが何だろうが借り上げ社宅の経費として計上するものですから、社会保険料算定にはもちろん関係がありません。

【会社側のメリット】

・住宅手当という給与ではなく借上社宅費という経費として支出するので社会保険料において会社負担分を節減できる。

・以前のいわゆる社宅というのは自社で建築したもの、購入したものでしたが、借り上げ社宅は既に建てられた賃貸物件なので維持費や建築費が掛からず、必要な時(雇用した時)、必要な部屋数だけ契約をすればいいので、自社所有の社宅より相対的にコストが低い。

まぁ大体このようなことでしょうか。

というか社会保険料高過ぎる…。
会社員の皆さんも思っていることでしょうが、中小零細企業にとっては切実なレベル。
優秀な人材を雇用して事業を進めたくてもなかなか悩ましい。
1人の人間を雇用する時に給与に伴って会社側が負担する金額は結構な額です。
まぁ少子高齢化を考えれば仕方がないのでしょうが。

【社員側のメリット】

・会社が賃貸料の大半を払うので社員が部屋代にかける金額は減る。礼金敷金を支払うのも会社なので大きなお金が部屋代に掛かることがない。

・借り上げ社宅を前提に給与設定すると上記のことから所得を減らせますから、結果社会保険料における等級を下げれるので折半分の保険料負担を節減できる。

・所得を意識的に減らすのでそれに伴い所得税、住民税も節減できる。
この威力はすごいと思う。

・入る時も出る時も面倒なことは会社がやるので楽(笑)

・借り上げ社宅なので会社所有の社宅と違い何々当番や上司の奥さんと自分の奥さんの軋轢が生じず楽ちん(笑)

と、まぁこんな感じでしょうか(なにぶん屋根屋さんで素人ですから)

もちろん物事にはメリットがあればデメリットもあります。

【会社側のデメリット】

・住宅手当ならば発生しない賃貸契約の手間が生じる。雇用の出入りが激しいと…

・契約者は法人なので管理ももちろん会社がやらなければならず、手当より手間や責任が発生する。

・雇用したので賃貸契約を結んだが即退職して即刻空き部屋になり、手当より逆にコスト増になる(笑)

・借り上げ社宅前提で給与設定するので額面はもちろん低くなるので、来て欲しい優秀な人材に「給料低いな」と思われて募集しても来てくれない(笑)

【社員側のデメリット】

・社会保険料の負担は減るが、健保はいいとしても年金給付額は当たり前に下がる。

・所得を下げるのでもちろん年収は下がりますから長期ローンの審査はマイナス面も。共働きで所帯年収がそれなりにあれば問題ないと思いますが。

・「借り上げ社宅だから気をつけて使ってよ!」と会社から言われるのでめっちゃ気を使う(笑)

このような感じでしょうか。

こんな会社には借り上げ社宅は合っています

・家族経営で社内の信用が確りしている。

・小規模事業所で多分数年は絶対に辞めないだろうな的な役員や社員が社長の片腕的にいる(笑)

・給与はなかなか上げれる実情ではないけど、社員とのコミュニケーションが確り取れていて目先のお金、今が大事なんです!的な社員が多数いる(笑)

借り上げ社宅は確り給与設定をして社員に理解を深めてもらえれば絶対にメリットはありますよ。
会社に余計過ぎるお金を残すのは税的に微妙ですが、社員個人においては手取りのお金がより残るようにして上げたほうが絶対にいいいですよね。
モチベーションだって違いますし、上手くいって結果が出れば「しゃ、社長…こんな私のために色々考えてくれてたんだ」なんて士気が上がります(笑)

たまーに勘違いして賃貸料相当額と賃貸料をゴッチャにしている人がいます

全然違います(笑)

この間も会社名義で賃貸物件を契約している方に聞いた話ですが「賃貸料の50%を経費として算入しています!」とおっしゃっていた1人会社で社長の方がいましたが、正式には賃貸料相当額は特殊な計算式から弾き出される金額です。
十万円の賃貸料ならばおそらく高く見積もっても二万円くらいが賃貸料相当額になるのではないでしょうか(統計的な数字ですからちゃんと計算しましょう)。
賃貸料の50%以上ではなく賃貸料相当額50%ですから、確りと計算した場合としていない場合ではあきらかな差が出ます。

これを計算するには部屋の契約書の床面積、建物の固定資産税課税標準額、敷地の固定資産税課税標準額の数字が必要です。
既に借り主であればその証明書は役所等でもらえますよ。
まぁ十万円の家賃で五万円払えば税務署は何も言いませんけどね。
余計に払っているので…。

ルーフワークスにはこれがめちゃくちゃ合っていました!

当社ルーフワークスは兄弟2人だけの小さな会社。
南家CEOであり経理、庶務として我が妻がいるものの社員ではありません。

ですから「こうしたら税金面でメリットあるよね」「こうすれば社会保険料負担は減るよね」「デメリットはあるけどそれに対してはこうすればいいよね」と確りと対話をして、理解を深めてもらい「そりゃいいね。それの方がいいわ」とお互いの今までの信用で話ができるのです。
だって「来年度から給与を減らす!」って他人の社長から言われたら「ちょ、ちょっと待ってよ」って先ずはなりますもの(笑)

私としましては年々高くなっていくだろう社会保険料と税金を考慮すれば彼に残るお金も少なくなっていくので「こうした方がいいよね」と提案してみたわけです。

業績が上がれば即給与に反映された時代は疾うの昔。

もらうお金が多くても納税後等に残るお金が減れば意味はありません。
「年収一千万です!」とかドヤ顔されても「で?残るお金は?」と。
会社の売上も一緒で上がればいいわけではもちろんなく、法人税を考慮しながらどれだけ残してどれだけ設備や人的に投資していくか。
たまーに飲んでる席で売上の多い少ないみたいな話をする節操無い経営者と出くわしますが、「決算報告書見せてください」って言いたくなる時があります(笑)
売上あってもお金が残らないで赤字じゃしょうがないでしょ…
まぁ銀行的にはいいのですがね。

もちろん年金システムの概念として現受給世代を現役世代が納めて支えているのは事実だし、厚生年金を納める額を減らすのはどうなかぁとも思いますけどね。
ですが先の総理会見にもあったように消費税10%の足音がやはり消えず、それどころか絶対にそれ以上税率が上がっていくのは目に見えていますので、それであれば生きていくために、少しの余裕を持てるようにこちら側が合法的にお金を、資産をなるべく残していけるようなスキームを組んでいかなければと思うわけです。

先述ですが社会保険料負担を減らすので給付は減りますから、その分は確定拠出年金で賄おうと思っています。
これも非課税。
いわゆる日本版401kとして2001年10月にスタートした制度ですが、トヨタや日立大企業ではそれなりに採用していますが一般的にはそこまでの広がりは見せていません。
個人的には確定拠出年金関連の2015年度税制改正大綱を軸に早く法改正していただき、2016年〜2017年と言われていますが早期に実現してもらいたいところです。
これが実現すれば大改革。

屋根の話ですか?無いです(笑)
社長日記のカテゴリーは書きたいことを書いていこうと思います。
そんじゃねぇー。